駄菓子屋探訪 出口商店(群馬県草津町)

だがし屋なあなあ日常
見よ、この品揃え。正統な駄菓子屋の趣き

ザ・駄菓子屋 うたた寝と「袋くじ」と

久しぶりに群馬県の草津温泉に行った。せっかくの機会だから、駄菓子屋さんを探そうと思い立ち、グーグルさんに教えられた通りに温泉街をうろうろした。湯畑から南方の高台へエッチラオッチラ上っていく。勾配が一段ときつくなって、大きくくねった先に「出口商店」さんを見つけた。

これぞ、という店構え。店内は正しい血筋の駄菓子屋さんらしく、新しい店には絶対まねできない趣きがある。くじやおもちゃを織り交ぜた品揃えが目を引く。きっと、子どもたちが喜ぶ品ばかりなんだろう。メモしておこうと、と気が急く。

こんにちは。声をかけると女性店主が顔を出した。どうやら、こたつでうたた寝していたご様子。やってますかと尋ねると、サンダルをつっかけて出てきてくれた。

あった、あった。これが、そうなのね。
「開運ゲーム」「月給あそび」「おでん屋さんゲーム」。息子曰く「袋くじ」というらしい。1回20円で、金券が当たる。運が良ければ50円分とか、100円分の金券を手にできるが、はずれればチャンチャン、紙くずになる。ちょーギャンブルだが、「だから面白い」と30歳を過ぎた息子が言ってた。

かつては、町内に5軒の駄菓子屋があったという。「子どもが減って、うちだけになってしまった」とさびしそう。かつて吾妻郡内には駄菓子屋がたくさんあって、渋川市の問屋さんがお店を巡って配達していたらしい。「でも、今は…」。
渋川までは片道50キロ、往復すれば100キロを超える。おばちゃんの年齢を思えば、仕入れはさぞかし大変だろう。

うちも夫が休みのときに、群馬県前橋市、高崎市まで仕入れに出かける。「ちょっとした行楽気分。おいしいものを食べたり、見物したりするついでに、と思わないと採算が合わない」。以前に聞いた、埼玉県熊谷市の三友商店さんの言葉がマジで骨身に染みる。

深呼吸しないと、えらいことになりそう

いたよ、河合奈保子。お宝だぁ

こりゃあ、ほしいんだな。河合奈保子の下敷きを手に取って、夫が深呼吸をしている。いらないのに買いたい時、心に向き合うお決まりの仕草だ。果たして、方位磁石(おもちゃのコンパス)とカンペンケースを購入した。何に使うのかさっぱり分からんが、名湯に免じて許してやろう。

「スーパーカーの下敷きも、やばかった」。店を出て、夫が大きく息を吐いた。出口商店は、かつて文具も扱っていた(今も売ってる)。だから売れ残った、いやいや希少なお宝がまだまだ眠っているはず。湯畑で食べ歩きも楽しいけど、ちょっと足を伸ばしてみてね。

「元気なうちはね、なんとかかんとか続けたい」。また来るから、元気でいてね。言葉を交わすと、おばちゃんはこたつのある居間へ戻っていった。きっと、うたた寝の続きだね。
ああ、時間がなあなあと流れていく。

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